BCP策定時についつい見落としてしまう項目、論点について29~重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度~
- Kiyomasa Mori
- 2023年11月1日
- 読了時間: 3分
静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度では業務の流れ(フロー 工程)で使用される経営資源について確認を行い、その経営資源が事業継続に与える影響と再調達の難しさについて検証を行います。ここで検証を行う『事業継続への影響度合い』についてどのように解釈して使用すればよいかを考察しましょう。今回も『再調達困難度』について考察していきたいと思います。
『再調達困難度』
今回も経営資源の『再調達困難度』について考察したいと思います。
前回、『ヒト』『モノ』『カネ』『情報』『外部資源』となる取引先や関係先、地域社会などについて共通する判断基準を考えてみました。
今回は『モノ』について『事業継続への影響度合い』での結果から『再調達困難度』を考察したいと思います。前回のブログ記事⑭⑮⑯を抜粋して参照しながら考察します。
前回のブログ記事⑭で『重要業務への影響度合い』で『モノ』資源について下記のように記述しました。
経営震源に関わる『モノ』ですが、種類や用途が数多くありますので、まずは分類していきます。
1.経営環境に関わる『モノ』
社内:建物・敷地・外溝・地下埋設物・建物付属設備・屋外設備
社外:インフラ(電気・上下水道・ガス)設備・道路・通信設備
2.製造・サービス提供に関わる『モノ』
社内:生産設備・機械・治具・検査機器・空調設備・道具類・事務機器・通信機器・その他設備
社外:原材料・部品・製品・消費材
1.建物施設(建物・建物付属設備・屋外設備等)内で生産するための環境を
維持できる状況
建物施設内の生産環境に少しでもダメージがあれば、これまでの環境を維持
して生産することが難しくなる可能性がある。
・どの程度の環境を維持することが求められるか、
・その環境下で生産した製品の品質レベルが顧客の要求に応えられる品質レベル
を保持できるか
前回のブログ記事⑮で『重要業務への影響度合い』で『モノ』資源について下記のように記述しました。
2.外部依存性の高い『モノ』資源について
外部依存性が高いということは供給が止まってしまうとたちまち業務が
止まってしまう可能性がある
・インフラは地域社会の復興とともに改善
・事業継続の最大のボトルネックはインフラである。
前回のブログ記事⑯で『重要業務への影響度合い』で『モノ』資源について下記のように記述しました。
3.機械設備に関しては結果として事前対策によるリスクの低減、被害の軽減を
行う対応を行うことが重要
・災害種類によっては効果的な支援が得られない
・外部の同業者に生産の一部を依頼することができたとしても顧客の品質要望に
応えられる依頼先であるか確認
・相互扶助はあくまでもお互い様ですが、相手を真に助けることができるだけの
実力がある企業だけが成しえる
上記のブログのポイントとしてまとめると
1.単に建物の修復や代替を行っても、事業を行う上で必要な施設の要件を満たさない限り、品質の確保ができない。
2.インフラの停止に伴い事業を継続することは中小企業にとっては特に難しい
3.建物施設や機械設備は事前の対策が最も重要。他社での代替生産はなどはハードルが高い
と言えます。これらのことを踏まえて再調達困難度を検討することが重要となります。
次回はこれらの条件から『モノ』資源の再調達困難度の評価基準について考察したいと思います。
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